今年一番といっても過言ではない、今日はこの本の感想です。
外国学習者エンゲージメントー主体的な学びを引き出す英語授業(アルク選書)
翻訳本で、原著者のゾルタン・ドルニェイといったら英語教育の間では動機づけ理論の先生で有名なお方。
その本を翻訳された和田玲先生は、ロンドン滞在中にゾルタン・ドルニェイと交流があり、その流れで翻訳の話になったのだという。
なんて素敵なんだろうか・・・!!!
そして、この本、不思議と授業に対するやる気がモリモリでてくる本です。
本当に不思議です。謎です。でもたしかにやる気がでてきます。
さて、本書のタイトルの一部にもなっている、「エンゲージメント」だが、モチベーションとは少し違う。
学習者がエンゲージメントとしているとは、学習者が「積極的に取り組んでいる」、「夢中になって取り組んでいる様子」
と説明されており、エンゲージメントはモチベーションとは違って、生徒の様子を観て測ることができるような概念なのかなと思っている。
日頃から、さまざまな教え方や、教材研究をして授業に臨んでも、生徒が乗ってくれないことがあったりする。なぜなのか?その原因について考えるが(ゆっくり考えられる時間は本当に少ないが)、大きく改善することはなかなかない。1回1回の授業はそれきりで同じものがなく、その時の原因が、次の原因とは限らない。
この本は、学習者をエンゲージメントさせるための原則と具体的な行動指針のヒントを与えてくれる。本文中に適宜出てくるリフレクションのための質問が読み手である自分の思考を深めてくれる。さらに理解を深めるためにとして、おすすめの書籍もコメント付きで乗っている。気になる本が何冊もある。
いくつか、本書で紹介されている考えを紹介する。
教師の情熱を示す
楽しさを最大化し、退屈さを最小化する
学習者を感情移入させる
驚きの要素を組み込む
謎解きやパズルを組み込む
続きが気になる仕掛けを作る
エンゲージメントを高める発問をする
特に、
学習者が学校で最も経験する感情の1つが「退屈」である
という言葉は、そういう場にならないよう、学校関係者として気をつけなければと思う。
また、この言葉を読んで、もっと楽しい授業がしたいな〜と思った。
新たな視点を与えてくれるこの本に感謝したい。
英語授業研究学会全国大会では、翻訳者の一人である和田玲先生が、講演なさるということで、とても楽しみにしています。