エレファントの英語教育実践道

私の英語教育と,これからの英語教育について。

AI翻訳の登場でますます英語学習の必要性が高まったのではないか、という話

今、AI翻訳が話題です。

Google翻訳やDeepL、Chat GPTなど、使いこなせればとても便利だと思います。

英語は勉強する必要がなくなるのだろうか?そう思う人もいるかもしれません。

実は私は、ますます英語学習の必要性が高まったのではないかと感じています。

 

まずは松尾芭蕉です。次の有名な日本語を英語に訳してもらいます。

 

古池や蛙飛び込む水の音

 

1. Google翻訳

The sound of the old pond and the water of jumping frogs

 

2. DeepL 

Old pond and the sound of water with frogs jumping in 

 

3. Chat GPT

An ancient pond

A frog jumps in

The sound of water

 

松尾芭蕉のイメージした世界では、おそらく飛び込む蛙は1匹です。(日本人ならなんとなく感覚でわかってくれますでしょうか・・・。)ですので複数形で翻訳した1と2は翻訳としては微妙でしょう。また、古池をold pondとするか、ancient pondとするか、はたまた違う表現がいいかは、検討の必要がありそうです。

 

次に川端康成です。

 

国境の長いトンネルを抜けたらそこは雪国だった。

 

1. Google翻訳

After passing through the long tunnel at the border, it was snow country.

 

2. DeepL 

After passing through a long tunnel at the border, I found myself in a snow country.

 

3. Chat GPT

When we emerged from the long tunnel through the mountains, we found ourselves in a snowy country.

 

「~そこは雪国だった」、とあります。だれかがそう思ったわけですね。とすると、それは誰なのか、が英語に訳すときには考える必要があります。1はだれがそう思ったのかわかりません。2は主語が明示されて「私」がそう思ったとしています。3は、どういうわけか主語が「私たち」となっています。

 

いかがだったでしょうか。翻訳の難しさ、英訳の多様さが少し感じられたかと思います。

 

いいたいこととしては、

 

英訳としてそれがいいのか悪いのか判断するのに、結局は、英語の力や日本語の力が必要であるということです。

 

AIが作ったものを最後に判断するのは、人間です。

 

その人間には正しいものを正しいと判断し、嘘を嘘と見抜く責任があります。