エレファントの英語教育実践道

私の英語教育と,これからの英語教育について。

「主体的対話的で深い学びを実現する!英語授業の発問づくり」, 田中武夫・田中知聡, 明治図書

 今日は最近読んだこの本を紹介。

この本の特徴

大きな特徴は,聞くこと,読むこと,話すこと,話すこと(即興・やりとり),書くこと,という技能別,領域別に発問づくりのポイントを示したところだと思う。次は引用ですが,

本書の主な目的は、英語授業の中で主体的対話的で深い学びを作り出すためにどのように発問を考えて活用すればよいかを具体的に提案することにあります

とあり,実践的で役に立つ本!という印象です。

 

 

授業で一番困っていたのは,本文読解の時にクラス全体が活性化しないことだった。そこで,読解中に生徒の思考を促すような,発問を加えることで,より深く読もうとするようになり,その後の生徒とのやりとりも活発になった。

 

例えば,Element ⅢのLesson 9のトピックはダーウィンが進化論を思いつくに至ったその経緯などが説明されている文章で,

Charles Darwin was born into a rich family in 1809, and his father wanted him to study medicine.  However, he found out that his son had no interest in medicine, so he sent him to Cambridge University to study to become a priest.  While studying at Cambridge, he had a lot of chances to meet various scientists.  Influenced by them, he gradually became interested in nature.

という部分がある。皆さんなら,この文章を生徒に読ませる時にどんな発問を与えますか?

 

私は「ダーウィンのお父さんは,どんな人だと思いますか。」と生徒に問いました。

 

すると,「押しつけがひどい」とか,「お金持ち」とか,「多分医者だと思う」など鋭い指摘もありました。どれも,本文をもとに推測できる内容ですが,読んだ内容をもとに思考している様子が伺え,非常に授業が生き生きと進みました。

 

ちなみに,「医者だと思う」と答えた生徒は,英語がとても苦手な生徒!でこの発言には正直驚きました。実際にダーウィンの父は医者だからです。そういった豆知識も混ぜながら授業を進めることができ,充実した50分間でした。

 

今日紹介した本自体は,中学の先生向けの本になりますが,高校の現場でも十分活用できる内容で,本の構成自体も,著者からの意図した発問が随所にデザインされています。

 

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