エレファントの英語教育実践道

私の英語教育と,これからの英語教育について。

生徒から英語学習の相談をもらったので,その時考えたことを書く。

高3生徒の英語学習の相談

 

「文法に問題があり自分で書く能力が上がりません。文法は某R文法書付属問題集を取り組んでいたのですが,解説が少し雑なためあまり使いこなせていません。また,2周以上しているはずなのに,文法をすぐに忘れてしまいやる気が薄れてしまいます。そのため以下のことを質問します。①文法に関するおすすめの問題集があれば教えてください。②文法定着のためのおすすめの習慣や勉強方法があれば教えてください。」

 

という相談があった。(すこし文章を変えています)

 

その前にまず,この生徒が欲しい情報はとりあえず,①のおすすめの問題集と②の文法を定着するためには?ということだが,その背景には,ライティングに課題があるようなことがうかがえる。

 

こういったとき,英語教師としてどのような答えをするべきなのだろうか?

 

 

 

①「文法」ということばについて,考えたこと

・文法事項の中には,すぐに理解できるものと,理解できないものがある(冠詞や複数形は理解できる。仮定法はすぐには理解できない。)

・文法事項の中には,すぐに使えるようになるものと,使えるようにならないものがある(現在進行形はすぐに使えるようになる。過去完了形はすぐに使えるようにならない。)

 

★相談に対する答えとして考えたこと

文法の知識をおおまかにとらえすぎているのではないか?学習が雑になっているのではないか?丁寧に行っていれば,何が苦手で何が得意などが前もって把握でき,そこを重点的に学習できるのではないか,ライティングでも意識的に注意したり,使ったりできるのではないか。

 

②「文法を定着」ということばについて,考えたこと

・本来,文法が定着するとは,コミュニケーションの中で使えるようになることをさしていると思われる。ところが高校生自体はそういう意識がない生徒も少なくない。問題が解ければそれでよいと思っているのである。

・問題がとけることは,コミュニケーションで使えることとイコールにならない。

・コミュニケーションで使える場合は,問題に慣れれば解けるようになる。

・ただし,受験問題には少なからず,実際のコミュニケーションで問われる文法知識とは全く違う,受験問題でしかでてこないような問題も未だに存在する。

 

★相談に対する答えとして考えたこと

幸いにも,この生徒は文法学習はライティングのためという気持ちもあるようである。(問題を解くためだけにしているのではないということ。)ライティングをやるのであれば,個人テーマをもって取り組んでみるなどをおすすめしたい。(今日は過去完了形を使う。あとで先生にそこだけはフィードバックしてもらうようお願いするなど)

 

③おすすめの問題集を,という質問について

・受験問題集が扱う範囲と,実際のコミュニケーションで使われる範囲はかぶらないところがある。

・世にはたくさんの英語問題集があるので,一番は自分が書店に行って一番いいと思ったものを買うのが一番よい。

 

★相談に対する答えとして考えたこと

受験問題集を何周もすること自体が大きく書く力の助けになるわけではないと気付かないといけない。むしろ遠回りであることさえある。そうはいっても,受験は存在する。割り切って学習する気持ちも必要である。書店にいけ,とはいうものの,このご時世なので,おすすめの文法問題集は教えておくべきだろうか。

 

成川の英文法は解説豊富,付属問題集はランダムに文法が配置されているので,勘では正解できないのでタメになる。英文法授業ノートは英語がもっと苦手な人用。最後の一冊は英語教師向けの本です。

 

深めて解ける! 英文法 OUTPUT (大学受験Nシリーズ)

英文法授業ノート

英文法、何を重点的に教えるか