中国に行って、帰ってきました。どうやって中国に行ったのか?
タイトルにもありますが、この事業に参加しました。
どういう事業かというと・・・
本事業は、日中友好会館と中国日本友好協会との協力により実施するもので、日本の教育関係者を中国に派遣し、中国で各種教育機関を訪問・視察し、中国の教育関係者と交流を図るほか、政治、歴史、経済、文化などに関する参観を通じて総合的な対中理解を深めることにより、日中教育関係者の相互理解促進、教育を通じた日中青少年の相手国への理解促進を目的として実施
というものです。
というわけで、9月21日(日)~9月27日(土)まで中国に行ってきました!
出発前にも記事を書いています。
englishteacherbook.hatenablog.com
さて、
「中国って、どういう国?」
「日本人って、どう思われているんだろう?」
テレビやSNSを眺めていると、日中関係についてのニュースが毎日のように飛び込んできます。正直に言うと、あまりポジティブな話題ばかりではないかもしれません。私たちも、そうした情報に触れるうちに、いつの間にか固定観念を抱いてしまっているのではないでしょうか。
しかし、この日中教育交流プログラムに参加して、私は肌で感じました。
「百聞は一見に如かず」。
メディアが切り取る断片的なイメージと、そこに生きる人々の「等身大の姿」は全く違うということを。
今回は、私がこのプログラムで見たもの、感じたことを通して、政治や報道だけでは決して分からない、草の根交流の重要性についてお伝えしたいと思います。
「個人の顔」が見えたとき、国のイメージは変わる
プログラムの中で、本訪中団の日本の団長である大正大学の牧野先生の話が心に深く刻まれました。
その方は、かつて南京へ留学した際の経験を話してくれました。
歴史的な背景もあり、複雑な感情を抱く人もいるかもしれない場所で受けた、温かいエピソード。そのたった一つの、しかし確かな体験が、漠然と抱いていた「国」全体のネガティブなイメージを乗り越える大きな力になったのだと思います。
これこそが、交流の持つ本質的なパワーなのだと思います。
私たちはつい「中国人」「日本人」と大きな主語で語りがちですが、そこにいるのは一人ひとり、顔も名前も、そして温かい心も持った個人です。政治的な対立やSNSでの過激な意見が目立ちやすい今だからこそ、次世代を担う若者たちが直接出会い、語り合い、互いの「顔」を知ることが、何よりも大切なのではないでしょうか。
在中日本大使館でのお話でも、 「政治やメディア報道(特にSNS)によって両国の印象が悪化しやすい状況にある。そのため、次世代を担う若者たちが直接交流し、等身大の相手国を理解する草の根の交流や教育がますます重要になっている。」と語っていました。国と国との関係も、突き詰めれば人と人との関係の集合体。その原点に立ち返ることの重要性を、改めて感じさせられます。
「教育」への情熱は同じ。でも、アプローチはこんなに違う!
今回のプログラムでは、現地の学校を訪問し、多くの先生方と意見交換をする機会に恵まれました。そこで見えてきたのは、興味深い「違い」と、揺るぎない「共通点」でした。
子どもたちの未来を思う教育への情熱は、日中両国の先生方に共通する、熱い思いです。しかし、その実現に向けたアプローチには、明確な違いがありました。
中国:「政府主導のトップダウン型」
国が明確な方針を掲げ、ICTの導入や教育カリキュラムの標準化を強力に推進。国全体で教育の質を底上げしようという強い意志を感じました。
日本:「各学校現場に委ねられる分権型」
教育の大部分が各学校や自治体の裁量に任されており、現場の創意工夫が活かされやすいのが特徴です。
どちらが良い・悪いという話ではありません。この構造的な違いが、タブレットの使い方一つから、先生の働き方、生徒への指導方法まで、あらゆる側面に影響を与えているという事実は、非常に大きな発見でした。自分たちの「当たり前」を客観的に見つめ直す、貴重な視点を得ることができました。
最高の学びは「人」との出会いの中に
このプログラムが特別だったのは、学びの対象が中国だけでなかったことです。参加者は、日本の小学校、中学校、高校から集まった、様々なバックグラウンドを持つ先生方でした。
普段なかなか交わることのない校種の先生方と、寝食を共にし、共に学び、語り合う。年齢も近く、抱えている悩みや喜びにも共通点が多い同年代の仲間との情報交換は、明日からの実践に役立つヒントの宝庫でした。この「横のつながり」こそ、旅が与えてくれたもう一つの大きな財産です。
「中国語が全く話せないけど、大丈夫?」
出発前はそんな不安もありましたが、心配は無用でした。優秀な通訳の方、日本語が堪能な中国人ガイドさんが常にサポートしてくださり、コミュニケーションに困ることはほとんどありません。いざとなれば、スマートフォンの翻訳アプリという強い味方もいます。
そして何より、プログラム全体のクオリティの高さには驚かされるばかり。快適なホテル、美味しい食事、考え抜かれた視察先。どれをとっても、「参加者に本物を見て、感じてほしい」という、とてつもない熱意と気概が伝わってくる内容でした。
まとめ
政治やメディアの情報に一喜一憂し、時には不信感を募らせてしまうこともあるかもしれません。しかし、今回の旅を終えて、私は確信しています。
本当に大切なのは、自分の目で見て、耳で聞き、心で感じること。
ステレオタイプを乗り越え、目の前にいる「あなた」と向き合うこと。
私たちが育てる子どもたちが、偏見なく世界の人々と手を取り合える未来を創るために、私たち大人自身が、まず一歩を踏み出す必要があります。今回の交流は、そのための小さくも、しかし確かな希望の光となりました。
この記事を読んでくださったあなたも、ぜひ、SNSの向こう側にある「等身大の世界」に、目を向けるきっかけにしていただけたら嬉しいです。
