エレファントの英語教育実践道

私の英語教育と,これからの英語教育について。

『英語学習 7つの誤解』を読み返して、そういえばこれは常識として知っておいたほうがいいのではないかと思った

 

 

 それなりに古い本です。それでも、この本のいくつかを

 

保護者や生徒に読むことをおすすめしたい。

 

その中の1つにある、「英語学習は早く始めるとよい」という誤解について。

 

第5話 早期英語教育は効果的か

 

電車の中吊りなどいろんなメディアの広告で、「英語学習は早いうちから」とか、

 

ネットの記事には「英語学習には臨界期がある!?」などの見出しが目立ちます。

 

臨界期というのは、簡単に言えば、何歳までに言語を学習しないと

 

習得が不可能になるというものです。ちなみに、これ、仮説です。

 

臨界期仮説といいます。

 

人は「研究の結果」や、~理論、~の権威が言った、などと書かれると

 

内容を精査せずに鵜呑みにしてしまいがちと思います。

 

国語学習の臨界期仮説について、わかっていることはあまり多くありません。

 

著者は次のように語ります。

 

外国語環境での英語学習の場合も(母語第二言語と同様に)倫理的な理由から、きちんと統制された実験はできないので、勢い、結果の解釈がさほどはっきりしない調査や逸話の類が多くなります。つまり、英語学習に臨界期があるかどうか、科学的に実証されてはいないのです。

 

まあ、そうであるなら、なおさら、はやく学習しておくのがよいのではないか

 

考える人もでてくるかと思います。

 

ここから先は、新書を読んで、ということにしたいと思いますが、

 

結論だけいうと、焦らなくてもよいのでは?と思います。

 

現場で中学生・高校生を教えている感覚からいって、

 

小さい頃の英語学習の経験と、中高の英語の成績はそんなにダイレクト

 

ではない気がします。むしろ、ちゃんと説明が聞けるとか、

 

日本語がきちんとしているとか、そっちのほうが大事じゃないかと。

 

ただし、小学校の英語教育が始まった時、彼らが中学生になって

 

小学校英語の効果を感じたのは、音に慣れていること

 

英語の表現(挨拶、身の回りの単語、I want to~, I can~など)を知っていることでした。

 

個人的なメモ

1.「英語は早く始めよう!」系の広告を見かけたら、どんな教育内容なのか中身を

 

みてみたい。

 

2.臨界期仮説の研究は2021年も発展しているのか、知りたい。

 

3.学校教育における小学校英語の導入は、臨界期仮説が根拠ではなかったと記憶しているが、どこかに記述あったっけなあ。